<< 『RENEW』 | main | 机上の静謐 >>

『鈍病』

『現在の芸術は、安定した社会生活と経済活動の上に成り立っている』

最近ふとした時に気がつけば、何処かで聞いたこの言葉が頭に浮かぶ自分がいます

震災から一月あまり、いつしか…

未だ切迫した被災地の現状は対岸の火事のように…

時折携帯から発する警戒地震速報のアラームもどこか拍子はずれのようで…

どうにも、慣れなのか、自分が鈍くなってしまったようで…

季節が春に転じ、体感気温も上がり風の匂いも甘く風景が色づきましたが

客観的になっても心弾まないこの心境は

どすんと重い塊のようなものが、体に滞留しているような

名付けて『鈍病』にかかってしまいました



例年でしたら五月の節句に開催される故郷のお祭りに参加し、一年間に溜まった疲れを払い落としていたのですが、今年は早々に中止発表を耳にし…本来ならば意気消沈するところですが

理由を推測すると、無類の祭り狂には似合わず物分かりの良さを発揮してしまいました…

これも、この病の症状の一つかもしれません



気分を晴らそうと桜を見にも行きましたが、目に留まるは咲き誇った桜に繋がれた夜間灯らない行灯でした

そうそう、ソメイヨシノって桜は元来が一本の桜だって知っていましたか?

全世界で花開くソメイヨシノのDNAは、一つなんです

しかも種子を成さず自ら繁殖しないのです

ですから地球上で咲いている全てのソメイヨシノは、一つの原木のクローンなんですね

オオシマザクラとエドヒガン?(コマツオトメ)の交配によって生まれたソメイヨシノは接木(つぎき)で大きくなったものばかりなんです

接木とは、オオシマザクラの幼木を植えて幹の先をYの字に切り込み、そこにソメイヨシノの原木を挟み縄で縛って育てるのです

ソメイヨシノを作ったのは江戸時代の染井村の植木職人だそうで、今でも豊島区染井近くの山手線の駒込駅では、駅構内に流れる列車到着音は『桜』の曲が流れます

あ、それとこれも何かの文献で読んだのですが、終戦後、憔悴しきった人々の目を励ます為に焼け野原となった国土にソメイヨシノを植えたところが多かったそうです

学校にソメイヨシノの木がある記憶には、そういった理由があるのかもしれません



東京はすっかり葉桜となってしまいましたが、散ってゆく薄桃色の花のかけらも、風の流れを示してくれているように宙を流れてゆきます

被災地の開花の知らせも耳にしました

例年通りとはいえ、桜も一歩踏み出しているのかもしれません

繰り返してしまいますが、その桜は全て、同じ一本の木なんです

押し寄せる今後の不安や無力感は、何かを始める事でしか払拭されません

微力ながら僕も一歩、せめて半歩

書き始めてみます。















| 一歩踏み出す事 | 12:33 | comments(0) | - | pookmark |
Comment










05
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
Profile
New entries
Archives
Categories
Links
Recent comment
Recent trackback
Mobile
qrcode
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM